6月 〜 8月

夏の放牧地、何をやるか?

豊富な青草の時期である一方、高温と少雨で牧草の生育が鈍る「サマースランプ」が起こりやすい季節です。掃除刈り・追播・雑草対策を計画的に進めながら、暑さから馬を守る工夫も欠かせません。

夏の放牧地、基本認識

春=雪解け・急速な草の伸び(スプリングフラッシュ)、夏=青草が豊富だが高温期に生育が鈍る、秋=雑草が増え伸びが低下、冬=凍結・積雪——放牧地は季節ごとに全く表情が変わります。夏はこの後の秋・翌春の草地の質を左右する、地味だが重要な「仕込みの季節」です。

月別・夏のタスク

6月

梅雨入り前後。青草は豊富だが、この時期の過剰な施肥は控えめに。
  • 施肥:窒素肥料(硫安・尿素など)を中心に、目安として反あたり10kg程度を追肥する牧場が多い時期です。土壌分析・青草分析を行うのにも良いタイミングです。
  • 掃除刈りの準備:雑草が穂を付け始めるので、種子が出来る前に刈り取れるよう草地を見回っておきましょう。
  • クローバーの状態を確認:長雨が続く年は葉が褐変するなどカビの兆候がないかチェックします。

7月

掃除刈りの本番。暑さが本格化し、馬の熱ストレス対策も必要になります。
  • 掃除刈りを実施:草丈20cm以上を目安に高刈りします。刈り遅れると雑草の種子が出来てしまうため、天候をみながら早めに動きましょう。刈り取った草は放牧地に残しても構いませんが、下草が蒸れないよう刈り残しには注意します。
  • 土壌改良材(生石灰など)の投入を検討する牧場もあります。詳しくは施肥・石灰散布のページへ。
  • 暑熱対策:気温・湿度が高い日は日中放牧を避け、夜間・早朝中心の放牧に切り替えることを検討します。
  • 流涎症(りゅうぜんしょう)に注意:クローバーの多い放牧地で長雨が続くと、カビ毒による流涎症がまれに発生します。

8月

草地更新のセット作業(掃除刈り+エアレーション+追播+鎮圧)を行うのに適した時期の一つです。
  • エアレーション+追播(オーバーシード):8月中旬前後は、裸地の多い区画などで追播を行うのに適したタイミングとされています。掃除刈り→ハローがけ→追播→ローラー(鎮圧)を一連の作業として行う牧場もあります。
  • 施肥:海外の専門家からは「8月以降に本格的な施肥を」というアドバイスもあります。春に控えていた分、この時期からリン酸・窒素を計画的に入れていきます。
  • 除草剤を使う場合はこの時期の実施例もありますが、散布後は最低でも数日、放牧を控える必要があります。
  • 採草地では、1番草に続く2番草の刈り取りが行われる時期です。

夏の作業工程 詳細ページ

掃除刈り(高刈り)

刈り高の目安と頻度、注意点。

詳しく見る →
🌾

施肥・石灰散布

窒素・リン酸・石灰・堆肥の使い分け。

詳しく見る →

エアレーション・追播

土壌改良と草地更新の実務。

詳しく見る →
🌿

雑草対策

アザミ対策や除草剤の使い方。

詳しく見る →
🥵

暑熱対策・夜間放牧

暑さから馬を守る工夫。

詳しく見る →
🐎

放牧密度・馬群管理

面積と頭数のバランス。

詳しく見る →

蹄・関節を守る草地づくり

クッション性とDOD予防。

詳しく見る →
🍄

カビ・エンドファイト対策

夏特有のリスクと対処法。

詳しく見る →
← ホームへ戻る