夏は青草が豊富に見えても、実は馬にとってストレスの多い季節。運動量の確保と暑さ対策を両立させます。
夏は本来青草が豊富な季節ですが、高温・少雨が続くと寒地型牧草の生育が鈍る「サマースランプ」が起こります。青草不足で馬の増体が思うように進まないと、それを補おうとして穀類を多給しがちになります。しかし、穀類(デンプン質)を大量に与えると消化管への負担が大きくなり、疝痛(せんつう)のリスクが高まります。この時期こそ、放牧地の草量そのものを維持する管理(掃除刈り・施肥・追播)が、飼料設計上のリスクを減らすことにもつながります。
日中の暑さを避け、比較的涼しい夜間から早朝にかけて放牧することで、馬の負担を減らしながら運動量を確保できます。放牧地の草地管理が行き届き、クッション性の高い状態を維持できていれば、昼夜放牧への移行がしやすくなるという指摘もあります。夜間放牧を成功させるコツは、子馬のうちからしっかり食べられる「腹袋」を作っておき、常に余裕のあるボディコンディションを保っておくことです。
放牧地の中でも、木戸口や水桶の周辺は馬の出入りが集中し、踏圧で地面が硬く締まって裸地化しやすい場所です。乾燥した年はこうした場所を中心に地面が固く乾き、子馬の蹄や関節に負担がかかってクラブフットの原因になります。
木戸口や水桶周辺をあらかじめ「犠牲エリア」と割り切り、バークやウッドチップを地面より高めに盛り上げておくことで、湿気とクッション性を保つ方法があります。これによってクラブフットの発生が減少した例が複数報告されています。